校長室より

日誌

3年間の感謝を込めて

令和6年3月末をもって、3年間勤務させていただいた徳島聴覚支援学校を離れることとなりました。

令和3年度には、教頭職を務めさせていただきました。聴覚障がい教育の経験がなかったのですが、特別支援教育32年間の経験と他校での教頭経験を踏まえ、校長の補佐と校務の整理、関係機関との連携、そして専門性の高い先生方が多く、きめ細やかな指導が行われている、自校の強みと良さを学ばせていただきました。小学部と高等部で、県内への修学旅行団長として、徳島県の魅力を改めて感じることができたことも印象的でした。

令和4年度からは校長職を務めさせていただき、新型コロナウイルス感染症への対応が次第に変化していく中で全国大会が開催されるようになりました。愛知県で開催された全国聾学校長会研究大会で、他県の聾学校・聴覚支援学校から賞賛されている関係機関との連携による乳幼児からのセンター的機能の特色と、チェックリストを用いた授業改善の取組を発表する機会をいただきました。このチェックリストは、他県の聾学校にも提供し、県を越えた学び合いにも生かされています。

 令和5年度には新型コロナが5類移行したこともあり、学校生活が安心して過ごせるようになり、コロナ禍における聴覚障がい教育の大きな課題であった、マスク着用が任意となり、幼児児童生徒が生き生きと学ぶことができるようになったことが印象的でした。

 また、全国の聾学校学校・聴覚支援学校は、88校で1県1校も多く、全国や四国地区の聾学校・聴覚支援学校との連携力が強く、他県の聾学校・聴覚支援学校の校長先生方から様々なアドバイスを頂くことができました。

昨年度は、四国地区聾学校長会長を務め、全国聾学校長会の地区理事として、四国地区の取組を発信したり、全聾長会との橋渡し役を担わせていただいたりしました。また、本校で四国地区聾学校体育大会を開催したり、香川県で開催された全国聾学校卓球大会にも、四国地区聾学校体育連盟会長として、参加させていただき、本校の生徒や他県の生徒の競技を応援することができました。

今年度は、香川県立聴覚支援学校、高知県立高知ろう学校を訪問し、研究大会で聴覚障がい教育の最新の知見を学んだり、他県の取組を自校の学校経営の参考にしたりすることもできました。

 そして、徳島県教育会研究指定校として、聴覚障がい教育のセンター的機能の手引書に活用できる「聴覚障がい児のきこえ・学び・支援」を作成できたことも、これからの徳島聴覚支援学校のさらなる活躍を示唆しているように感じています。

 思い出は尽きませんが、お二人の会長様をはじめとする熱心なPTAの皆様、幼稚部から高等部、乳幼児教育相談の先生方、いつも迅速に対応いただけた事務室の皆様、「これからの徳島聴覚支援学校に期待したいこと」について熱心に熟議いただいた学校運営協議会の委員の皆様、日頃から学校を応援いただいている地域の皆様、なにより学校の主役として、いつも全力で、そして笑顔で学びや遊びに取り組んでいた幼児児童生徒の皆さんに、心から感謝を申し上げるとともに、徳島聴覚支援学校のますますの発展を祈念して、お別れとお礼のことばとさせていただきます。3年間、ありがとうございました。

 

令和6年3月30日

徳島県立徳島聴覚支援学校長 小谷慎一

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